筋力

2019-10-27

筋力
筋力

婦人画報2019年11月号の婦人科コラム欄は“筋力”について書かれていました。いま、老年期の「フレイル(虚弱)」が問題になっています。
フレイルとは、健常な状態と要介護状態の中間のことです。多くの高齢者は‟筋力”が衰える「サルコペニア」を経て、さらに生活機能全般が衰えるフレイルとなり、要介護状態に至ります。

東京大学高齢社会総合研究機構の飯島勝矢教授はこう解説しています。
「フレイルの主要因にサルコペニア(加齢性筋肉減弱症)があります。サルコペニアは要介護の入り口。サルコペニアによって転倒骨折しやすくなり、億劫になることも含め外出頻度が減少、徐々に社会との接点が減って認知機能が低下しやすくなります。
これまでは生活習慣病対策として“メタボ”予防ばかり叫ばれていました。しかし、65歳以上では太っている人より、やせている人のほうが総死亡率が高いことがわかってきました。

メタボ、生活習慣病予防に注意してカロリーコントロールするのは60代前半まで。
老年期の低栄養、フレイルを予防するためにも、60代半ばからは個別の状況を判断しつつ徐々にギアチェンジして、適切なエネルギーやタンパク質を摂るようにすることが重要です。噛まない、柔らかいものばかり食べることによる口腔機能の低下(オーラルフレイル)により、低栄養→心身の機能低下→フレイルヘ至る問題も明らかになっています。
筋肉をつけるためには、定期的な運動(筋トレと有酸素運動)とタンパク質に気をつけたバランスのよい食事が大事。そしてオーラルフレイル予防のためにしっかり噛むことも大事です」。

筋力20歳以上の約7割が運動習慣をもっていないという日本の現状で、ほかにも効果的なフレイル予防はないのでしょうか?という質問に飯島先生は
「それは社会やコミュニテイ、人とつながっていることです。約5万人の自立高齢者に行った大規模な調査研究があります。
①身体活動(運動) ②文化活動 ③ボランティア・地域活動を日常習慣として行っているかを聞き、フレイルのリスクを調べました。すると、予想通り①~③すべてを行っている人のフレイルリスクが最も低いという結果でした。
しかし、①の運動だけ行っていて②③は行っていない人より、①の運動はしていないが②③の活動を行っている人のほうが、フレイルリスクが約3分の1も低かったのです。フレイル予防の観点から考えると、ひとりで運動だけ行っているよりも、コミュニティや人とつながっていることの重要性を示した結果です」と答えていました。更年期からの筋力リザーブは、要介護状態を短くして健康寿命を延ばすための財産となります。

配信 Willmake143


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