大腸がんと歯周病菌との関係

2022-07-29

大腸がんと歯周病菌との関係日本人死亡数第2位の大腸がん。その発症に、食事や運動だけでなく、腸内細菌が関与するのではないかと、
世界中で研究が進められています。京都府立医科大学の内藤裕二教授が、いま明らかになっていることについて、日経ヘルス2022年夏号で語っています。

内藤教授は、「日本では今、年間5万人以上が大腸がんで亡くなっていて、この20年くらいの間に罹患率も死亡率も、世界のトップを走るようになってきました。
アジアの中でもダントツに高い。大腸がんが増える理由は高齢化が進んでいること、食の欧米化などいくつか理由が考えられますが、死亡率が上がっていることを考えると、日本の大腸がん検診制度が十分でないという側面もあるかもしれません。
人を対象とした研究で、食べ物と腸内細菌が大腸がんのリスク因子になることはほぽ明らかになっています」と語っています。

国立がん研究センターで大腸内視鏡検査を受けた616人の便から腸内細菌を解析したところ、がんのステージによって便中に増減する腸内細菌があることが明らかになったそうです。
そのひとつが、フソバクテリウムという菌です。


大腸がんと歯周病菌との関係このフソバクテリウムという菌は歯周病の原因菌で、糖尿病や認知症、早産などとの関係を指摘する報告もあります。

内藤教授が驚いたのは、大阪大学免疫学フロンティア研究センター老化生物学の原英二教授らが2021年に発表した研究です。
大腸がん患者の腸に、健常人の腸にはいない口腔内病原菌が12種類も見つかったと報告した中で、これらの菌が作る酪酸という代謝物質が「細胞老化」と関わることが報告されています。

今回見つかった大腸がんに関連する口腔内細菌は、もともと酸素がない大腸では生きていけない菌なので、すみ着くのは大腸のバリア機能が壊れていたり、抗生物質投与で大腸内の環境が乱れているような、何かしら大腸の弱点がある場合だと思われます。
そう考えるとがん予防のためには、普段から腸内環境を整えておくことが大事なようです。

配信 Willmake143


Copyright(c) 2010 SONODA DENTAL CLINIC All Rights Reserved.