3月, 2021年

不安疲労

2021-03-29

不安疲労
不安疲労コロナ禍で鬱々としている間に体力が低下した、やる気の低下を感じるという人も多くなっているようです。それは、日常生活の大幅な変化がもたらした「不安疲労」からくるものかもしれません。
不安疲労とは何か、その対策法についての記事を日経ヘルス2021年4月号が載せていました。

いつも疲れて体が重だるい、やる気が出ない、なんだかうつっぽい。そんな症状を訴える人の「多くは、今の生活に強くストレスを感じている人。自律神経のバランスに乱れが生じてそれが疲労感につながる。不安疲労といっていいのでは」と銀座医院の久保明先生は話しています。


不安疲労


不安疲労通常、多少心や体が疲れても、少し体を休めれば生体防御システムが働き疲労は回復するようになっていますが、ストレスに長くさらされ続けると回復が遅くなります。
「疲労は痛みや発熱と同じく『どこかに炎症が起きているよ』と知らせるアラームサイン。

放っておくと、体のホメオスタシス(恒常性)が保てなくなり、ホルモン分泌の乱れや免疫機能の低下につながることもあります。
また、疲労そのものは病気ではないかもしれませんが、疲労状態が長く続くと、うつ、慢性疼痛、糖代謝の機能低下などにつながることもあります。「ただの疲れ」などと侮ってはいけない」と久保先生は言っています。

自律神経の乱れからくる疲労対策に、久保先生が薦めているのは、まず体を動かすこと。
「姿勢を正して5分歩くだけでも適度に心狛数が上がり、交感神経の緊張がほぐれやすくなる。また、腸は自律神経と深い関わりがあり、やさしくお腹をさするだけで交感神経の興奮が静まりやすい」といっています。
さらに、久保先生が注目しているのがパラミロンです。「近年健康食品でよく見られるミドリムシが体内にもつ多糖類の一種。この成分の摂取で副交感神経の働きが高まることが確認された」そうです。

配信 Willmake143

回想脳

2021-03-27

回想脳
回想脳これまで16万人の脳画像を見てきた東北大学加齢医学研究所の瀧靖之教授の「回想脳 脳が健康でいられる大切な習慣」という本が2021年3月25日に青春出版社から出版されました。

「過去を振り返ること」で得られる脳への効果について解説した本です。私たちが過去を振り返って感じる「懐かしさ」という感情を英語にすると、「ノスタルジア」という名詞が一番近いように思われます。
20世紀のなかばころまでの心理学の世界において、「ノスタルジア」という用語は、故郷から遠く離れたときに感じる不安や悲嘆などの心理的な症状を表す言葉として、否定的にとらえられてきました。
ところが「ノスタルジア」の研究が進むにつれて、昔を振り返ることはけっして病的でネガティブな行為ではなくて、精神的にも肉体的にもポジティブな効果がありそうだということがわかってきたそうです。
現在では、高齢者を対象にして、「ノスタルジア」の感情を応用した治療が、医療や介護の現場でも応用されるようになっています。

これまでの研究によれば、過去を振り返って「懐かしさ」を感じることには、大きく分けて次の4つの効果があるとされています。
   (1) 脳の健康を維持し、認知症の進行を抑える効果
   (2) 未来に向かって生きる力をつける効果
   (3) ストレスを解消し、気分転換を助ける効果
   (4) 幸福感が得られる効果

コロナ禍で外出もままならず、人とも会えなかったために、ストレスがたまったという人は多いと思います。
友人とおいしいものを食べに行ったり、おしゃれな店でショッピングをしたり、海外旅行に出かけたりと、確かに外に出かけると楽しくて幸せなことはたくさんあります。ただ、これまで私たちは幸せを外に求めすぎたような気がします。


回想脳それがコロナ禍で急にできなくなったことで、強いストレスを受けているのかもしれません。しかし、昔を懐かしむことなら自分1人でできます。
外に出かけなくても、自分のなかの記憶を呼び起こして自分1人で幸せになれるのですから、「幸せの自家発電」といってよいでしょう。
ウィズコロナ、アフターコロナの時代に求められるのは、「幸せの自家発電」をする力ではないかと、瀧先生は語っていました。

配信 Willmake143

マスク引き金 頭痛に注意

2021-03-26

マスク引き金 頭痛に注意
マスク引き金 頭痛に注意新型コロナウイルス感染症が流行する中、マスクをつけていることで頭痛が引き起こされる人がいます。
在宅ワークで同じ姿勢を続けることで起きる頭痛もあります。片頭痛を予防する新しい薬が登場し、注目されていると2021年3月24日付の朝日新聞が伝えていました。

東京女子医大病院(東京都)の頭痛外来には、「マスクが気になって仕方がない」と訴える患者が相次いでいるそうです。
清水俊彦客員教授は「知覚神経が過敏になっている予兆。放つておくと、強い片頭痛に襲われることが多く、要注意です」と話しています。
マスクによる皮膚への刺激が脳に興奮を引き起こし、片頭痛につながりやすいとされています。普段は片頭痛がない人でも、特に緻密な不織布でできたサージカルマスクを長時間つけていると、片頭痛を起こすことがあるそうです。
呼吸が十分にできず、血中の二酸化炭素濃度が上がり、脳の血管が広がって頭痛が起きると考えられています。


マスク引き金 頭痛に注意こうした症状を防ぐために、「マスクをつけているときに、ブドウ糖を含んだあめをなめるとよい」と清水先生はアドバイスしています。
ブドウ糖には、脳の血管を収縮させる効果が期待できるからです。
のどが乾燥すると口内の三叉神経が刺激されるため、マスクを湿らせておくことも予防につながります。
マスクを外せる場所では外し、深呼吸をすることも有効だということです。

神経由来の頭痛だけではなく、在宅ワークで同じ姿勢をとり続けるなど、筋肉の緊張が原因の「緊張型頭痛」もあります。
背中の筋肉を緩めることで和らぐ場合もあります。ただ、片頭痛では体を動かすと脳の血管が拡張し、痛みが増してしまうので、頭痛の原因別に対応することが必要です。

頭痛予防の観点からは、脳の血管を収縮させるカフェインを含むコーヒーやお茶に少量のブドウ糖(砂糖)を入れて飲むのがよいといわれています。
寝込んだり仕事に集中できなかったりといった片頭痛が起きる場合は、日本頭痛学会が認定している専門医や脳神経内科医、脳神経外科医を受診することをすすめています。痛み止めを多用していると頭痛を悪化させることがあり、注意が必要だそうです。

配信 Willmake143

足の爪トラブル予防

2021-03-22

足の爪トラブル予防
足の爪トラブル予防足の爪が痛くて靴が履きにくい、歩きにくいと悩んでいる人は意外に多いものです。トラブルの代表は、体重を支える親指に起こることが多い「巻き爪」と「陥入爪」です。仕組みと正しい対処法を2021年3月20日の日経新聞が紹介していました。


足の爪トラブル予防爪は小さな部位ですが、実は指先の力を補強するという重要な役割を担っています。東京医科歯科大学皮膚科の高山かおる臨床准教授は「爪があるから足の指は体重を支え、地面からの衝撃を受け止めることができる」と語っています。

なかでも最も負荷がかかる親指の爪にトラブルが起こることが多いのが特徴だそうです。巻き爪とは爪が変形し内側に巻き込んだ状態のことです。

なぜ爪は巻いてしまうのか。「そもそも爪は巻き気味に生える性質がある。通常は歩くときに加わる地面からの圧力が対抗力となり、爪が巻こうとする力を抑えている。しかし両者のバランスが崩れると巻き爪になりやい」と埼玉医科大学形成外科の簗由一郎医師は解説しています。


足の爪トラブル予防バランスを崩す原因は、先の細いハイヒールなど爪を圧迫する靴を履いていることや、指でしっかりと地面を踏みしめる歩き方をしていないなどが挙げられます。
爪先に余裕があり甲やかかと部分で足を固定できる靴を選び、正しい歩き方を心がけるのが予防・改善策になるそうです。

陥入爪は、爪が周囲の皮膚に食い込んで痛みや炎症を伴う状態です。炎症がひどくなると細菌感染を併発して皮膚が化膿し、激痛で歩けなくなることもあります。
陥入爪の一番の原因は、爪を短く切りすぎる深爪です。高山臨床准教授は「深爪をしていると、地面からの圧で指の先端の皮膚が盛り上がってくる。そこへ伸びてきた爪がぶつかって傷をつくり、陥入爪になる」と話しています。

痛みを感じたら放置せず、爪のトラブルに詳しい医師がいる皮膚科や形成外科を受診しようと記事には書いてありました。

配信 Willmake143

人生会議

2021-03-15

人生会議
人生会議新型コロナウィルス感染拡大によって、限りある命の大切さを改めて意識した方も多いのではないでしょうか?
こんなときだからこそ、人生の最期の時期についての思いを聞き、かなえるためのプロセス「人生会議」について
週刊朝日2021年3月12日号がとりあげていました。

「人生の最期の時期について、本人の思い(意思)を聞き、かなえるためのプロセス」は、医療や介護の現場で「アドバンス・ケア・プランニング」(Advance Care Planning=ACP)と呼ばれています。
厚生労働省が2018年、「人生会議」と愛称を決めています。積極的に取り組む行政なども増え、広がりを見せています。


人生会議人生会議(ACP)とは、あらかじめ、家族、友人、医療者、介護関連職に、自分の人生の目標や「こういうことをしたい」という希望、価値観(人生観や死生観、大切にしたいこと、譲れないことなど)、気がかりなことを伝えておくことです。
そして、それらの情報をもとに、いざというとき、「どんな治療やケアを選ぶか」「療養場所をどこにするか」を決めるだけでなく、「最期の時期をどう過ごしたいか」 「どのように生きていきたいか」を考え、実現していくことなのです。

本人を取り囲む人々がそれを知っておくことには、重要な価値があるといいます。理由は、「命の危険迫ったとき、約7割の人は医療やケアを自分で決めたり、希望を伝えたりすることができなくなる」(厚労省)からです。
その場合、本人に代わって、周囲がいろいろなことを決めなければならなくなります。本人の気持ちや意思を確認しないまま医療やケアの選択をした場合は、家族も医療者や介護者も「本当にそれでよかったのか」と何度も思いを巡らせることになりやすいそうです。


人生会議厚労省が18年に発表した国民の意識調査の中でも「大切な人の死に対する心残り」について、約4割が「ある」と回答しています。
めぐみ在宅クリニック(横浜市)院長で、一般社団法人エンドオブライフ・ケア協会代表理事の小澤竹俊医師は、「特に、人生の最期の時期をどうするかについては、周囲がどれだけ情報を集めて選んでも後悔するものです。
でも、みんなで悩み、みんなで決めた選択は、どれを選んでも後悔が少なくなりやすい。人生会議には、そういう効果があります」とアドバイスしています。

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