10月, 2022年

目、歯、骨 60代からの元気を支える3つの鍵

2022-10-27

目、歯、骨 60代からの元気を支える3つの鍵婦人公論2022年11月号の特集は「目、歯、骨 60代からの元気を支えるつの鍵」でした。
大阪大学大学院予防歯科学教室の天野敦雄教授は、入れ歯とインプラント、どちらを選ぶべき?というところでは、こう述べています。

「どちらにもメリット、デメリットがあるため好みの問題と言えますが、『婦人公論』世代のインプラントには、気をつけるべき点があります。
インプラントは入れ歯に比べ、噛み心地がいいのが特徴です。しかし、手術で顎の骨に人工歯根を入れ、その上に人工歯を装着するため、健康なほうが望ましいこと。また、接続部周辺が歯周病になりやすいという欠点があります。
認知症など要介護になった場合は、自分で歯を磨けなくなることもありますよね。たとえ家族や介護士がケアをしてくれたとしても、磨き残しは避けられません。結果的に、インプラントの接続部周辺が歯周病になった時に、人工歯根は抜きにくく、処置が難しいのです。
60代、70代でインプラントを検討しているのであれば、食事をおいしく食べることを優先するか、その先の認知症など介護リスクに備えて断念するか。コストも踏まえてよく検討してみたほうがよいでしよう」。

食べることは生きる喜びだという人も多いはずです。食べ続けるためには、口腔内の健康維持が欠かせません。
そこで、在宅介護を受ける人でも利用できる「訪問歯科診療」が注目を集めています。
ふれあい歯科ごとうの五島朋幸先生は25年間も訪問診療を続けてきた、この分野の草分け的存在です。五島先生の現在の訪問診療では、主に入れ歯の調節を行っています。

しかし月に一度ほどは「食べられないので診てください」と、ケアマネや患者の家族から依頼が入ります。
その場合はまず、ちゃんと噛んで飲めるかという「咀嚼能力」と「嚥下能力」のチェックから診療を開始します。


目、歯、骨 60代からの元気を支える3つの鍵「食べられない人が栄養状態を保つために胃ろうにするのはいいけれど、誤嚥性肺炎を起こしたから胃ろうにして、もう二度と口から食べられないというのは間違いです。

たとえば、ケガで長い間寝たきりだった人が、急に歩けばヨロヨロするのが普通でしょう。それを『手をついたからアウト。もう歩いちやダメ』と言っているのと同じ。

むしろ口から食べないと体力が落ちるので、逆に誤嘸性肺炎の危険性が高まります。
胃ろうをうまく使って体力を上げながら、可能なら噛んで食べる量を増やしていくのが理想です」
と五島先生は語っています。

配信 Willmake143

シニアの医療保険のやめ時

2022-10-25

シニアの医療保険のやめ時2022年10月22日の日経新聞に「シニアの医療保険、やめ時は」と題した記事が載っていました。医療保険に入る高齢者が増えているそうです。


シニアの医療保険のやめ時生命保険文化センターの2021年度の調査を基に計算すると、65歳から89歳までの世帯主の医療保険加人率は86%と18年度の74%から12ポイント上昇しています。
特に80代の上昇幅が大きく、85〜89歳では73.8%と27ポイント強上昇しています。
高齢期は一般的に体調を崩しやすいため医療保険で備えを考える人が多いのに加え、高齢でも加入できる医療保険が増えたことが背景にあります。
ただし加入時の年齢が上がると、保険料は高くなる傾向があります。


シニアの医療保険のやめ時ではシニア世代は医療保険への加入をどう考えればいいのでしょうか。ポイントになるのが保険料の負担です。
例えば30代といった若いころに終身型の医療保険に加人済みの人は、契約を継続するのが選択肢となります。保険料の水準が一般的に低く、年齢を重ねても上がらないためです。

終身保障で保険料の払い込みが60歳など一定の年齢で終了する契約の場合も継続した方がいいです。老後に保険料の負担がなくなる半面、保障の続くメリットは大きいからです。
現在のシニア層が若いころに契約した医療保険は5日以上の入院でなければ入院給付金が出ないなどの制限がある例が少なくないが、短期入院の費用は貯蓄で賄えることが多いため、最新の商品に加人し直す必要性は薄いです。

一方、慎重に考えたいのが医療保険の保障が切れる場合です。期間10年などの定期型に加入していて定年退職前後に更新時期を迎えたり、60代で退職して勤務先のグループ保険を脱退したりするなどして、新たに医療保険への加入を考える人は少なくありません。

こうした場合に契約を更新したり、新たに加入したりすると保険料が高額になりやすく、家計を圧迫するほどの金額になるなら、保険料を貯蓄に回して医療費に備えるほうがいいです。
公的医療保険の保障にも目配りしておくことが大切です。

配信 Willmake143

「運転脳」を鍛える

2022-10-23

「運転脳」を鍛える車の運転に必要な能力は高齢になるほど衰え、事故のリスクが高くなります。
そこで、認知症の予防・改善にも有効な取り組みを行ない、脳と体の機能低下を防ごうという記事が週刊ポスト2022年10月21日号に載っていました。

「運転脳」は、運転に必要な認知・判断・操作に関わる脳の働きを表わした言葉で、鳥取大学医学部認知症予防学教授の浦上克哉医師が理事を務めるNPO法人「高齢者安全運転支援研究会」が定めたものです。


「運転脳」を鍛える高齢になると認知機能が低下し、運転技術の衰えを自覚して運転免許を返納する人も少なくありません。

しかし、車の運転をやめることで行動意欲が低下し、認知症リスクが高まる可能性があることが、国立長寿医療研究センターの研究で発表されています。

長く運転を続けたいなら慎重な運転を心がけるだけでなく、脳と体を鍛え、認知機能(運転脳)の低下を防ぐのが大事です。

まずは自分の「運転脳」の衰え具合を確認し、対策を行ないましょう。

配信 Willmake143

100歳の秘密

2022-10-19

100歳の秘密東京大学大学院の中川恵一特任教授が、2022年10月17日の毎日新聞のコラムの中で100歳の秘密について書いていました。
「センテナリアン(centenarian)」という言葉をご存じでしょうか。100歳以上の長寿者を指す英語で「1世紀以上を生き抜いた」という意味があります。「百寿者」とも呼ばれます。

センテナリアンの数は、老人福祉法が制定された1963年には全国で153人でした。
しかし、1981年に1000人を超え、1998年に1万人を超えました。2012年に5万人を突破し、今年は9万526人(前年比4016人増)で、初めて9万人を超えました。
ゆとりを持って100年を生き抜くには、ある程度のお金も必要ですが、なんといっても、「100年もつ身体」が第一です。
センテナリアンを対象とした全国調査によると、野菜・果物、肉、乳製品、魚などを好き嫌いなく食べる傾向がみられ、体重当たりの摂取カロリーが70歳の人と同等という調査結果が出ています。


100歳の秘密もっとも、センテナリアンが病気知らずというわけではありません。東京都内に住む100歳以上の約300人を対象にした調査では、ほぼ全員が何らかの病気を持っていました。
最も多かったのは高血圧で、約6割が患っていました。一方、糖尿病の患者はわずか6%でした。70代の糖尿病の罹患率は2割程度ですから、センテナリアンに、いかに糖尿病が少ないか分かります。糖尿病が少ないことが、「人生100年」のポイントの一つといえるでしょう。

センテナリアンにはがんが驚くほど少ないことも分かりました。がん細胞は私たちの体内で毎日多数発生しており、その数は加齢とともに増えていきます。
しかし、免疫細胞が水際でがん細胞を退治してくれています。この免疫の働きがセンテナリアンでは強い可能性があります。
がんを2割増やす糖尿病がセンテナリアンに少ないことも、がんが少ない理由かもしれません。

がんが死因に占める割合は、年齢とともに高くなっていきますが、男性では65〜69歳がピークで、この年代では、がん死亡は死因全体の半分弱を占めます。
女性では55〜59歳がピークで、死亡の6割近くが、がんによるものです。がんで死亡する割合は、男性では70代以降、女性では65歳以降に低下していき、100歳以上になると1割にもなりません。
心臓病、肺炎、脳卒中、老衰といった、がん以外の病気が原因で死亡する割合が高くなるからです。
国の指針でも、がん検診の受診を「特に推奨する」年齢を69歳までとしています。センテナリアンをめざすなら、70歳までにがんで死なないことが大切でしょう。

配信 Willmake143

脚の動脈硬化に要注意

2022-10-10

脚の動脈硬化に要注意動脈硬化で血管が詰まる病気というと心筋梗塞や脳梗塞を思い浮かべがちですが、もう一つ覚えておきたい病気があります
脚の動脈硬化が原因の「下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)」です。

ASOを初めて聞く人も多いはずです。旭川医科大学外科学講座血管外科学分野の東信良教授は「高齢者人口の増加に伴い近年、患者数が増えているが、病気の認知度が低く、治療が遅れる人が少なくない」と2022年10月8日の日経新聞の記事の中で述べていました。
今年3月、日本循環器学会と日本血管外科学会が合同で改訂した「末梢動脈疾患ガイドライン」には「市民・患者への情報提供」と題した章が新設されたそうです。
研究班班長の東教授は「医療従事者を対象にしたガイドラインで一般向けの情報発信を行うのは珍しい。この病気のことをぜひ知ってほしい」と話しています。


脚の動脈硬化に要注意ASOは動脈硬化で脚の血管が細くなったり詰まったりして、歩行に支障を来す病気です。
脚の動脈硬化が進めば心臓や脳の血管でも同じことが起きている可能性が高い。

関西ろうさい病院(兵庫県尼崎市)第三循環器内科の飯田修部長は「脚の動脈硬化がある人の約半数が心筋梗塞、約30%が脳梗塞を合併し、これらの病気で命を落とすことも少なくない」と説明しています。


脚の動脈硬化に要注意セルフチェックができます。できれば休まずに1kmほど歩いてみる。
いつも同じくらいの距離で脚の筋肉が痛くなれば、ASOの可能性があります。

動脈硬化は長い時間をかけて進むため、生活習慣がものをいいます。
東教授は「人生100年時代、年をとっても自分の足で歩けるよう、若いころからよく歩く習慣を身につけ、喫煙や脂質、高血糖など血管に蓄積する害を遠ざけておくことが重要だ」と訴えていました。

配信 Willmake143


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